この研究では、ポリオキソメタレートに基づく無機-有機ハイブリッド材料、Na4[Cu4(Gly)2(HGly)2(H4W12O42)]Cl2·20H2O(1)(Gly = グリシン)が、自己集合アプローチを用いて合成されました。この過程で、銅イオンとグリシンがパラドデカトンスタートアニオン[H4W12O42]8–に組み込まれました。化合物1の構造と特性は、単結晶X線回折、元素分析、粉末X線回折、FTIR、ラマン分光法、サイクリックボルタンメトリー(CV)、およびUV-Vis分光法を用いて系統的に特定されました。さらに、その抗がん活性は、MTTアッセイを用いてヒト肝癌細胞(HepG2)およびヒト腎上皮細胞(HEK293T)に対してin vitroで評価され、IC50値は36.232 ± 0.41 μMとなりました。この結果は、化合物1が肝癌細胞の増殖を効果的に抑制することを示しており、ポリオキソトンスタート(POT)に基づく抗がん薬の開発候補としての可能性を強調しています。